のんべんだらり

そんなことより、おいしいものでもたべにいきましょう。

エリザベートをみてきたよ。

去る9/6、念願の!花組エリザベートを観劇してまいりました。

ほんっっっとにチケットが入手困難な模様なので、行けてよかった。よかったようううう…。

 

…なんじゃそら、という人もいらっしゃると思うのでザックリ説明すると、宝塚歌劇団といえばまずベルばらや風と共に去りぬかな、って思うのですが、その演目と肩を並べる代表作のひとつで、何度も再演されている超人気演目なのです。エリザベート

 

エリザベートとはなんぞや】

オーストリア皇后エリザベート(蘭乃はな)の暗殺者ルキーニ(だいもんさん)は、暗殺から100年経った後も死者の世界で裁判にかけられていた。「皇后暗殺の動機は?黒幕は誰だ?」との裁判官の尋問に、ルキーニは「動機は愛、黒幕は死(明日海りお)だ。なぜ殺したかって?彼女自身が望んだんだ!」と意味不明な供述をする。そして、証人としてエリザベートと同じ時代を生きたハプスブルク家の人々を呼び起こし、彼らはエリザベートについて語り始めるのだった。

wikipediaより引用。エリザベートwikiるともっと詳細なの出てきますよ!)

 

みたいなかんじです。

なんかややこしそうだね。

 

そんなエリザベートですが、今回の上演は花組の変革期真っ只中!このメンバーは今回だけ!!という特別なものだったので特に取りづらかったのです…よよ…

と、言いますのも

花組トップスター明日海りおさんの宝塚大劇場での初披露

・娘役トップスター蘭乃はなさんは今作で退団なさるのでラスト演目

・男役二番手の望海風斗さんの雪組への組替前のラスト演目

という、トップ3名がめいめいに特別な公演なこと、そしてそこにあてがわれたのが名作と名高いエリザベートだからなのです…!

 

ひゃーん、とれない、とれなかったよおおおおお。

運良く一般で滑り込みで取れてよかったよううううううう。

 

と、いうことで心して観劇してまいりましたよ!!

明日海さん♡明日海さん♡♡ってなりすぎて、当日はお財布をおうちに忘れるという失態つきでしたが…とほ。

 

そうそう、それで当のエリザベートの感想をまとめると。

他のエリザベートを見たことがないから何がどうだってことはまったく比較も出来ないし分からないけど、唯一自信を持って言えることがあるとすれば、以後エリザベートが上演されるときの基準が今回のエリザベート、というのはとんでもなく高いハードルなのだろう、ということ。

 

まだまだわたしは宝塚の観劇歴も浅いし、ライトなファンとして楽しんでいるにすぎないけれど、ほんっと〜〜〜〜〜〜〜〜に、今回のエリザベートが一番気に入ったかも…と心の底から思った。

応援している明日海りおさんのトップスターの姿を見た見ないとかを外しても、お芝居、歌、ダンス、衣装、セット、などなど何もかものひとつひとつがしっかりと絡み合って確固たる世界観を生み出していて、ああ、これがショーだなあ、酔わせてくれるってことなんだなあ…と一幕終わりの休憩で放心した。

 

とにかく濃くて濃くて濃くて、でももっと欲しくなるそんな感じ、おおよそ一ヶ月をこちらの大劇場で、そして日比谷に場所を移してさらに一ヶ月、たった二ヶ月しか観られないだなんて。そして、そのチケットは本当に手に入らない、それをただただ喜ばしくも悔しいことと思うばかり。

5つの組を順繰りにまわして上演している宝塚のスケジュール上かなわないことではあるのだけど、このエリザベート、もっと長く…1年くらいやれないものか、そうしたらもっともっとファンが増えることは間違いないのに…と頭を抱えてしまうくらい強烈によかった。

 

何が良かったって、書き出したら本当に長くなるのは目に見えているけど書かないとどんどん薄まって忘れていってしまう、それがとても怖いし、もったいないことだから、取り留めなんてなくていい。気づいたことはつらつら書き連ねておくことにしちゃう。

 

・みりおさんについて

美しい、ただただ美しい。

 

原作では死の概念を擬人化した存在?である本作の主人公、黄泉の帝王トート様、場面が変わるごとにちゃんと衣装もチェンジされているおしゃれ帝王様なんだけど、こういう非日常というか人外の存在ってアニメとかでもよくいるけど、衣装はずっと同じだから、それだけでも結構新鮮でおもしろかった。

衣装も「これは帝王ですね…」と格調を感じるスタイリングが主だし、特に黒地に深い緑のラメのロングコートを羽織ったやつがかっこよかった!確か、その時はシルバーとブルーの御髪をひとつに束ねていて、取り分け美しい鼻筋のスッと通った横顔が映えるのなんのって…。思い出しただけでご飯食べられる。おなかがすいたら、みりおさんの横顔を思い出してしのごう…そうしよう…

あと、男役さんってみんなだいたい肌の色を本来より浅黒めに塗っていたりするんだけど、今回は黄泉の帝王っていうどう考えても不健康というか血の気のない役柄だからかな、お肌の色みが白くなっていて、そしてメイクもラメをまぶしてるのかな?ところどころキラキラとしていて、そんでもって髪のブルーとお揃いのラインを入れたりしていて、こんなに美しく、そして気高くあんなコスチュームを着こなせる人がいるんだなあ…浮世離れとはこのことかぁ…とマントを翻してツカツカ歩くみりおさんを見てため息を漏らしたものです…

 

きっと、みりおさんじゃなかったらコスプレにしか見えないと思う、だけど、だけど…みりおさんが着用したら紛れもなくトート閣下なんだよ…そこには黄泉の帝王がいるの…

 

公式によると、黒天使っていうトート様の取り巻き?みたいなのも10人くらいいてトート様のような似たファッションに身を包んでるんだけれど、比べるものでもないし酷な話かもしれないけど、やっぱりオーラが全然違うなぁって思わされるシーンがたくさんあった。

もちろん、みなさんかっこいいし美しいんだけど、それだけでは済まさない、人の心を掴んで離さないパワーが溢れ出ているのはみりおさんだけだったように思う。それを手に入れるにはもの凄い努力があることも承知だけど、なんていうか、その場所に立つように導かれているというか、スポットライトに愛されてここまで導かれてきたんだろうなって…つくづく思ったの…うう…

 

ルックスの話が長いな…

 

そうそう、みりおさんの魅力って恵まれた端正かつ可愛らしさも残るみずみずしいルックスもそうだけれど、伸びやかかつキャラクターの感情の揺らぎまで嫌味なく伝えられるお芝居と歌声の作り込みの繊細さ、そしてたおやかなダンス…という舞台人としての確かな技術にもあって、それが遺憾なく発揮されていたなあと思った。

 

前回の、蘭寿とむさん退団公演のラスト・タイクーンでは中年男性の役回りだったから、いくら達者とはいえ魅力が出きってなかったな…と感じていたので、今回、彼女の持てるポテンシャルが全開になっていた気がするので本当に満足した。

黄泉の帝王、って文字だけ見ればファンタジーな役柄なのかなって思ってしまいそうだったけど、ちゃんとストーリーを予習して行ったからその誤解を抱えたまま観劇することもなく、スッとお芝居に入っていけてよかった。

 

予習した感じだと、もっとトートって冷たくってエリザベートをとにかく自分のものにしたくてたまらない利己的な人なのかなって思っていたんだけど、みりおさんのトートの振る舞いを見ていると、あれ、もしかしてトートって本当は優しいのかな?って思うところがいくつもあった。それが正解かどうかは別として、死の概念の化身(や、ややこし…)に愛されるとはどういうことなのか?黄泉の帝王が人間を愛するとは?を考える上においてとても重要な要素だと思う。

まあ、エリザベートを手に入れたいあまりの糸引きをあちこちでしているから、優しくとも何ともないんだけど…

 

でも、最初にエリザベートが自殺を図ってやすりを手にした後気絶したシーンとか、それを持ち去るトートの視線がとても穏やかだったようにも見えて、なんというか、彼だって自分の立場とエリザベートを思う気持ちの間で揺れてたのかな…なんて思うには充分だったなあ…。ところどころ、そういう人間臭いところ(人間じゃないけど…)があったように思えて、どうしようもない存在のどうにもならない悲壮感の中にもどこか共感できるというか、キャラクターとしての厚みがきちんと与えられていて、そういう丁寧さはさすがだなあと感心するほかなかった。

 

前述の通り、他を見ていないから何がどうって分からないのだけど、でも、それでも、そういう深い役づくりを見ていたら、これはきっと誰かをなぞったのではなく、みりおさん自身が全身全霊で作り上げた黄泉の帝王トートのエリザベートへの愛情の傾け方なのだと深く納得することができたし、わたしが最初に目撃したエリザベートがこれでよかったと心の中で拍手すると共に、つまりそれは、これ以降も演じられるであろうエリザベートの基準がこのエリザベートになるということに気づいて、ああ、大変なものを見てしまったんだなあ、という気持ちにどっぷり浸されてしまって、このエリザベートの興奮から抜け出したくなさすぎて、次にエリザベートが演じられるとき、まともに見られるのだろうか…と今から勝手に不安になっている(そして絶対喜んで観劇しているに違いないことも断言できる)。

 

ひい!みりおさんだけでここまできてしまった。

長い、長いよ。どんだけ話したいんだよ…!!!

 

てなわけで、次は

・望海風斗(だいもん)さんについて

ルキーニ!!!んもーーーー、めっちゃよかった。

締めるところは締めて、緩めるところはキッチリと緩めて。彼女の演技一つで場面の空気がガラッと変わるので、出てくる度にとってもワクワクしたな…おちゃらけるのも、シリアスに振る舞うのも、どちらも本当に自然で、キャラが板についているってやつなのかな?イキイキしてて最高だった!

 

望海風斗さんの感情豊かで溌剌としたお芝居と抜群に冴えわたる歌、そしてメリハリのあるダンスが好きで好きでたまらなくて、花組から雪組に組替えと聞いて寂しくてたまらなかったんだけど、今回のお芝居を見て、雪組への移動はだいもんさんがトップスターになるための人事でほぼ間違いないだろうし、ずっとずっと応援するぞ…という誓いを固めたのでした…

どんなふうになるのかな、楽しみだなあ。

 

あと、みりおさんとの相性が抜群で、見られないのが寂しくてたまらないから、一緒に歌ったり踊ったりしてるところをガッツリ眺めてきたんだけど、お芝居が終わってからのちょっとしたショーの時に二人が並んで踊っているとき、ルキーニのために普段よりも黒めかつ強めにメイクをしてバリバリに踊るだいもんさんと、トートのために普段より色白で個性的なメイクをしてロングヘアをなびかせてたおやかに踊るみりおさんとの対比がほんと真反対でおもしろかった!

ずっと眺めていたい、終わらないで〜っていう迫力で満たされていて最高だった!視覚的に真反対になってるし、歌声も力強く歌うだいもんさん、丁寧になめらかに歌うみりおさんと対照的なふたりだけど…合わさったときの強さったらない!こ、これが…宝塚〜〜〜!!!!ってなる、なんだろ、いろんなこと吹っ飛ばす力みたいなのに溢れていて、これが見たかったの…見せてくれてありがとうございます…ってひれ伏すしかないの本当にすごかった。これが、今回だけだなんて本当に惜しい。さびしい。

 

だけど、これから間違いなく二人が宝塚歌劇団の101年め以降を引っ張っていくんだと思うし、もっともっと素晴らしい舞台を見せ続けてくれるって思うから…涙をのんで、このエリザベートを目撃できたことに感謝して生き続けたいと思います…ウウッ…

 

ビバ宝塚!どうか健やかであれ!

 

さてさて。

来月は月組のPUCK/CRYSTAL TAKARAZUKA-イメージの結晶-を観に行きますわよ!

注目している海乃美月さんをガッツリみてこなくては!草の露の役ってどんなんなんだろ。

宝塚初めて〜!ってお友達2人と一緒に行くのでそれもとても楽しみだなー…ぽわわわわ。

 

宝塚という沼に…落ちますように…